修学旅行

修学旅行に行き、他の旅館に泊まることとなった緒花たち。
 その旅館で、アルバイトで働く仲居たちが急に辞めたいと言い、番頭ともめる現場を目撃する。そこで、福屋という旅館の一人娘である結名が、「辞めたいというのは仕方ない。旅館で働くのは大変だから。興味がない人がやっても続かない。いくらお金をもらえても、やりたくないことじゃ続かない。やっぱり好きなことじゃないと頑張れない」と言う。旅館の娘だけあって、旅館の仕事と従業員をよく見ていると思った。
 近年、就職しても、3か月で辞める人間が多いらしい。この事態は、結名の言葉に集約されているように感じる。入社してすぐは、とても大変な時期だ。新しい生活環境。数か月前までは、学生気分だった人間が、急に社会人として、仕事を任される。アルバイトとは責任の重みも意味も全く違う。そんな状況にも関わらず、近年の不況のせいで、第一希望の就職先に入社することができる人間はほとんどいない。多くの人間が、就職するために妥協する。大変な上に、やりたかったわけでもない仕事に追われる日々。3か月で辞める人間が多くいるのも頷ける。
 そんな結名自身は、「やりたいことがたくさんある。そのやりたいことの中から、一番やりたいことを仕事にする」という。仕事を理解し、人間を理解し、自分を理解し、その上で選択し、言葉にだす。その結論が、周囲の期待を裏切ることになってしまっても、自分の決意を表明する。そんな彼女を、潔く、とてもかっこいいと思った。

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