NO6

「NO6に住むようになって、何をしたらよいのかわからなくなった」と言う沙布の祖母。
何もせずとも必要な者が揃う町、NO6。しかし、それは同時に、人の生きる活力を奪っているのかもしれない。
 台風の日、開けていた紫苑の部屋に入ってきた、片腕を撃たれたネズミ。ネズミは、傷の手当てをした紫苑に対し、「人間には、刈る側と、刈られる側がある。…純粋培養のエリートは、恐怖や警戒心を持たなくても生きていける。」と言う。このことは、現在の日本人にも当てはまると感じた。
 というのは、現在は、搾取する側と搾取される側に分かれているということができるからである。もちろん、このアニメのように、刈る側が、刈られる側を銃で追い回すようなまねはしない。しかし、搾取する側は、自分の都合の良いようにルールを作り、あたかも筋が通っているようにじわじわと搾取される側を刈っているのだ。しかし、搾取される側は、搾取されていることに気付かない。もしくは、気付いてもそれに対抗する術をもたない。
 また、後者についても、同様に当てはまる。現代のほとんどの日本人が純粋培養のエリートということができるかもしれない。治安が良くなり、すれ違う人が自分を刺すかもしれないなどと考えながら、外出する人はほとんどいないだろう。加えて、日常生活で恐怖を感じるような時代には存在しなかったような、ホラーや怖い話などが、人工的に恐怖を感じるために作られていることからも、現代人は、恐怖や警戒心をもたなくても生きていけるということができるだろう。
 NO6という架空の世界を題材にしつつ、現在を描いたようなアニメである、NO6。今後、どのような展開を見せるのか楽しみである。

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