CANAAN

 チュンソフトから発売されたストーリーゲーム「428~封鎖された渋谷で~」を原作とする一連の作品のコミック作品の1つである。

 この作品は、原作ゲーム、その2年後を扱ったアニメ「CANAAN」、それぞれのノベライズ版(前者が「講談社BOX」から全4巻、後者が「角川スニーカー文庫」から全2巻)、アニメのコミック版、と出版されてきたが、「428」と「CANAAN」との間の2年間を埋める作品はなかった。(前述のCANAANのノベライズ版では、「428」のバックサイドが一部書かれているが、空白期間を埋める物ではない。)
 本作「CANAANスフィル」は、この空白の2年間を埋めるストーリーになる。
 そのため、これらの作品を全く知らない人間が読むと「???」という事になりかねない、という欠点を持っている。そのため、帯には「スフィル・・・それはTVアニメ「CANNAN」の前日譚を描く物語。」(1巻)、「ゲームソフト「428~閉鎖された渋谷で~」とTVアニメ「CANAAN」がここでリンクする!!」(2巻)と、これでもかとばかりに書かれている。

 ストーリーは、「428」では大学生の「巻き込まれキャラ」だった大沢マリアが、「CANAAN」での報道カメラマンを指向するまでと、それに係わる「蛇」とカナンの戦いからなっている。
 なにぶん、「前も後ろもふさがれている」2年間を繋ぐストーリー(2年間全部を描くのではなく、前述の通りマリアの変化のきっかけを描いているわけだが)のため、前後の作品を知らないと、話が終わったあとのカタルシスが小さいのはやむを得ないところであろう。(その分、アニメの「CANAAN」の終わり方は良かった。)

 2巻の巻末に、3つの書き下ろし短編が収められているが、これらの短編には「CANAAN」には登場しない「428」の登場人物がメインで出ている。難しいとは思うが、「428」のコミカライズも期待したい物だ。

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